保育の話をしましょう

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10. 食事の時に育つ小さな自尊感情 ~見ているつもり?聞いているつもり?~
 
 園での食事の時には、今日はどれくらい食べられるかを一人ひとりに聞きながら配膳をしています。この事は0歳の子どもでも同じです。
皆がきちんとそうしてくれているつもりでした。
 
ある時乳児の食事について0歳児と1歳児の動画配信する映像を確認しているとき、そのことが出来ていないように見えました。「アレ?」っと思い、乳児の食事について園内研修をすることにしました。
映像を見て検証した結果、一応聞いてはいるようでしたが、その返事をきちんと受け止める動作がみられませんでした。つまり乳児の場合は、言葉での返事ではなくアイコンタクトや動作を見て意志を確認することが必要ですが「いつの間にか一応聞いています。」という状態になっていました。
認識を新たにして取り組んでいます。
 
さてなぜそのようなことをしているのか、と言いますと、いくつかの大切な意味が込められています。
・あなたのこと(あなたの意志)を大事に思っていますよ。
・あなたは今どれくらい食べられますか(体のニーズを知る)
・あなたが表明したことを尊重しますよ。
・自分を大切にし自分で決めて行動するということの日々の実践へとつながっています。

9. 英語で遊ぼうについて
 
 幼児各クラス月に1回講師を招いて英語に親しんでいます。
この時間は何か英語を覚えさせるといった姿勢ではなく保育全体のカリキュラムの中でその時にテーマと一致したことを英語で楽しむ、といったスタンスで行っています。
この時間が子どもたちにとって楽しい時間だと記憶されたらよいと思っています。
多様性に触れるほんの少しの機会ですかね。
   ※外部講師を招いての活動も特別な料金は頂いていません。

8. 食器をそっと置く2歳児
 
 自園でも陶器の食器を使っています。
プラスチックの物より重いし、割れることもあります。
ところが、2歳児の食事を見てみると、食事の後自分の食器は自分でカゴに片付けるのですが、重ねて置く時もガチャンと音が出ないようにそっと積み重ねていました。置く場所も少し傾くようなら別の場所を自分で探して、そっと置いています。2歳児がちゃんと壊れないように自分で考えて置いている姿を見て、感動すらします。下手をすると大人の方が音を立ててガチャンと置いているかもしれません。

7. 体育遊びについて
 
 外部から講師を招いて、月1回幼児全員にしています。
体育遊びの時間をひとつのキッカケとして捉えています。この時に興味を持ったことを日常の遊びの中で体験できるようにし、面白くて、遊んでいる間に習得していけるよう環境を整えます。
そしてまた、専門の講師の指導から保育教諭も学び保育に生かしていきます。
また昨年度から体の軸(体幹)を育てることをテーマにした動きを課題として取り入れるようにプログラムを組んでいます。

6. 様々な種類の地面について
 
 自然の大地には全く平らな地面は珍しい。斜めであったり、でこぼこしていたり、硬かったり、柔らかかったり、木の根が出ていたり・・・。
園庭の環境を考える時、自然には叶いませんが、出来る範囲で様々な素材の地面ということを考えています。砂、芝、クッション性のある地面、コンクリート、レンガのインターロッキング、アスファルト、木の根の出ている所、高低差のある所、石畳など、感覚を通して学んでいくこと、認知的な知識ではなく非認知的な感覚、体感を通して遊びながら体験しながら学んでいくことも大切にしています。
砂地の園庭に木の、根が出ている所があります。考え方によっては突然出っ張っているから安全のために削って平らにした方が良いと考えることもありますし、そうした場があってもそれぞれが危なくないように気を付けて遊ぶという事も考えられます。どちらでも良いと思いますが、自園でもそのままそれぞれが気を付けるというスタンスを取っています。

5. 毎日体操について
 
 幼児全クラスがほぼ毎日行っています。
子どもたちの成長をみる中で、身体の発達がとても大切だと気付かされます。
そこで、ハンガリーの保育をヒントにして、1日10分程毎日、身近な道具を使って体操をしています。
発達に課題がある場合、体の軸が未発達であったり、固有覚が育っていないことがよく見られます。毎日、体を意図的に動かすことで左右の統合をはかり、脳の発達のバランスを整えたりすることが出来ると考え行っています。

子どもたちは、この体操が大好きなようで、毎日楽しんで行っているようです。
 

4. ずっと遊んでいるだけですか?
 
 いえいえ、大切なことはバランスだと考えています。
いわゆる設定保育と言われるような活動で一般的に行われているような事は大方行っています。領域別のカリキュラムもかなりしっかりとあり実践しています。ただ取り組み方が活動によっては1人とか2人で行う事もあります。
それでは集団で行うことはないのかといいますと、ほぼ毎日幼児クラス全員で毎日体操というものをしています。運動会など全員で行動する事もあるし、その時々、個を大切にしながら集団ですることを大切にすることもあります。どちらも大切です。和して同せず同じて和せずですかね。1人ひとりが大事にされると結果として集団としても素晴らしい集団となるようです。

3. 園の草取りどうしてますか?
 
自園では、職員がまめにとっています。
 ポイントは、2つ。
・時間をみつける ・時間の使い方
「え~。子どもを見ないで草取りですか?」
草木の手入れをする、草取りをする大人の姿、それ自体が生きていく力を育てるための見本になると考えています。
昔と違って人手はかなり恵まれていると感じています。
しかしながらやはり子どもが落ち着いて過ごしていなければこうしたことも難しいと思います。
また、子どもに対して、自発的、創造的な行事が出来るように保育している所ですが、大人にも同じ事が言えると思います。
職員も一人ひとりが自発的、創造的に仕事が出来るように望んでいます。

2. 遊びにキリをつけようとする時、「イヤダー!!」って言われていませんか?
 
 自園ではあまり「イヤダ―!!」と言うことを聞きません。なんでかな~。と考えると、多分、子どもたちが遊ぶことに満足しているのかと思いあたりました。
園での生活の中でどれくらいの時間遊びの時間が保障されているか、現場の先生に確認してみました。
幼稚園コースの3時に帰る子どもたちで、だいたい毎日5時間遊びの時間があるということでした。
食事のあととか、お昼寝のあとも子どもたちは、すぐに遊ぶことができる。とわかっているようです。
以前は、「はい今から遊びます。」「はい、終わりだから片付けてください。」といった日常で今思えば、とても長い時間を園で過ごすのにも関わらず遊びの時間が充分保障されていない状況でした。

1. かみつきは、あたりまえと思っていませんか?
 
 一人ひとりが充分に遊べる環境を整えます。そして、それぞれのこどもの遊びを守る(保障する)ことができると、なんと結果としてかみつきはなくなります。もともと子どもたちは、かみたくてかんでいるわけではありませんからね。必要な量や種類の道具(玩具)が整っていない中、1歳児に仲良く遊びなさいという事にはとても無理があるようです。
※このコーナーは、今後随時更新していきます。