保育の話をしましょう

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70. 園での子どもたちの遊びの様子
~乳幼児が夢中になって遊んでいる時、子どもたちの目線はどこを見ているでしょうか~
 
 乳児のお部屋を見ると、それぞれの子どもが、自分の遊んでいる手元や玩具などを見て夢中に遊んでいる様子が見られます。保育教諭は、それぞれに関わりながら全体を見守っています。
 
 一般的に乳児の部屋でよく見られる状況に、保育教諭の周りを子どもが取り巻き、視線は全員保育教諭を見ている情景です。
あまりに普通な感じで、それがなにか・・・?と思われるかもしれませんが、先生が遊んであげているという状態の時の姿かと思われます。
 
 一方、自分のしている事に夢中で、自分の手元や玩具に視線がいっている場合には、自発的に遊んでいる状態だと思われます。
 
 自発性の育ちを保障する!!
 
とても大切なことですが、特別な事をするのではなく、日常の中で日々育っています。

69. 子どもに何かを聞くとき・・・。
 
 どっちがいいの? いいの? いやなの?
二者択一で聞いている事がよくあります。
 
 言語聴覚士の方とお話しする機会があり、その時に、子どもが感情(意志)を表現するのに、「はい」「いいえ」の他に「わからない」という選択肢を入れて絵本のようにした、子どもが指し示せるものを見せて頂きました。
 
 この「わからない」という事は大人でもあることだと思いますが、ついつい 「どっちなの?」と言ってしまうことがあります。
 
「わからない」ということもありですよね。
 家庭でもこの視点は大事な事のように思いました。

68. 保育に活かす〈子どもの権利条約〉
 
 全国私立保育連盟という組織があります。
 私は、14年程、その中の保育国際交流運営委員会の委員を務め内7年間は委員長を仰せつかっていました。
 世界と日本の保育の情報を共有し、日本の保育現場に役立つ情報を発信する活動をしていました。
 その中で、一人ひとりを大切にする保育の発信をすると共にその実践は、子どもの権利条約に根付くものであると考え日々の実践と権利条約とを結びつける情報をコミックとコラムを通して約4年間保育通信(毎月発刊の連盟の機関紙)に掲載してきました。
 この度、そのコミックとコラムが出版されることになりました。
 「子どもの最善の利益」ということが国の方針にも示されていますがこの言葉は子どもの権利条約からきています。
 
 日々の保育にこのことが活かされ保障されることを願っています。

67. 全体に向けての話が伝わりにくい子
 全体での具体的な話が伝わらない、伝わりづらいという子どもたちがどこの園にもいると思います。そうした場合は個別での声掛けが必須となります。その伝え方も具体的なやり方を伝える方法から「だれだれちゃん見てみて」など、自分で見て考えて動けるように促していきます。同じような言葉掛けでも「みんなを見てみて」と対象が抽象的になると理解することが難しいようです。
 この自分で考えて行動出来るような言葉掛けは、へきなんこども園では、日常の中の毎日全保育教諭が心掛けている事になります。原則は同じですね。
 指針などに示されていることの実践とも重なることです。

66. 場面緘黙のある子
 年度が変わり、クラスが変わり、環境が変わったけれど、先生がいるから安心という状況からクラスが安心といった状況があるようです。
 話さなくてもいいことを保障されることが大事なことのようで、その子がそのままの状態を認められることが重要なことのようです。
 友だちもその状態を認めたうえで、遊びに誘ったり働き掛けをしていてよい感じです。
 また、先生の対応も、やりましょうではなく、楽しいよ~とササッと体を動かすことを促すような動き、やらせるではなくて、共感して楽しいよ~。という方向で誘ってみるようなことがよいそうです。
 また、その子の良い所を先生が表現していくことで、クラス全体がその子にとって居心地の良い場になっているということでした。矯正するのではなく、そのままの姿を認めつつ働きかけていきます。
 場面緘黙についてはNO.17にも書いてあります。

65. 子育て支援というけれど?
 「東京都公立保育園研究会のいきいき子育て通信」を頂いて、その中に汐見先生の「子育て支援という言い方でいいの?」という記事がありました。その中に《おそらく「支援」という言葉が問題なのだと思います。支援する方がされる方よりちょっと上に立っているイメージなんですね。少なくても支援される方と支援する側は対等ではない》という文章がありました。へきなんこども園の子育て支援センターは、平成6年からスタートし、平成8年に国県の指定を受けています。
 当初から何かを教えるというスタンスではなく子育てって24時間絶え間なく続くことだからとにかくここに来たらゆっくり休憩してね。というスタンスで続けています。何かを指導するではなくささえるというスタンスです。
 保育も同じ所があり、子どもたちに何かをさせるからささえるスタンスを大事にしてます。
  

64. 試行錯誤する力が弱い?
 短絡的な行動を取ることが多く、すぐ手が出てしまう子がいます。
 考える力をつけるにはどうしたらよいのか。
 
☆もしも~したらどうする?
☆他にはどうする?
☆残ったもので何かする?出来る?
☆他に何が出来るかな~?
 
 こんな言葉掛けをする事が出来る。と園内研修でアドバイスを受けました。
 小さい内からこんなサポートをされたらいいだろうなと思いました。
  

63. おなかすいた~!!
 園内でこんな言葉を聞きますか?
先日研修で訪れた方が、久しぶりに「おなかすいた~!!」と言っている子どもの声を聞いた。と言っておられました。
 とても大事にしたい感覚だと思います。食べる時間になったから食べる。タイムスケジュールにそって食事をする。という日常を過ごしていると、それぞれが感じていることより何かに合わせて行動する事が日常になっているように思います。
 一人ひとりを大切にするということは、それぞれの感じる事を大事にすることです。自園では節度はありますが、幼児の場合それぞれのタイミングで食事をしていきます。全員一緒ではないけど、友達と楽しく食事をしているようです。

 
  

62. 頑固な偏食
 どこの園にもいるのではないかと思いますが白いご飯しか食べない。とか自分の中で決めたものしか食べないといった子がいます。
 なぜそうなっているのか理由は様々でそれを認めながら、食べられるような働きかけをその子その子に応じてしているところです。
 最近の園内研修の中で、働きかけの中に「五感で感じて、その食べ物を知っていく。」という視点を示唆して頂きました。具体的にはフォークでさしてみるといったようなことだそうです。
 視覚、見た目とか、臭覚、香りといったことはありましたが、触覚もありですか。
 
 五感を使ってですね!!
 

61. 大人同士の言葉
 家で大人同士が感謝を言葉にしてますか。
自分の思っている事と異なる行いをする人に対して、怒りをぶつけたり、支配をするような言動はありませんか。親しいがために、自分の感情をぶつけるようなことはありませんか。
 
  そもそも異なる文化や生活感(家庭)で育った人が一緒に暮らすので、違うことが当たり前ですね。
一人ひとりを丁寧に見ていくことで、みんな違うということを認められるような大人に育ってくれるといいな~。